編集手帳

子供たちの朝が続く事に感謝した

投稿日:2017年8月15日 更新日:

2017年8月15日付け「編集手帳」要約

『瀬戸内少年野球団の碑』には、「あのとき空は青かった」という題名の詩が刻まれている。
〈戦争という夜のあと 子供の朝が訪れた〉とある。
「あのとき」は72年前のきょうを指す。
作詞家・阿久悠さんは、野球・映画・流行歌の三つを、「民主主義の三色旗」と呼び、野球をこよなく愛した人であった。
テレビでは高校野球が放送されている。
子どもたちの朝が続いている当たり前の事実に感謝した。
いつも以上に身の引き締まる終戦の日である。
〈緑は今もみずみずしいか/人の心は鴎のように真っ白だろうか/子供はほがらかか/愛する人よすこやかに〉(『契り』)
亡き人の、気遣わしげな声を聴く。

-編集手帳

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