編集手帳

果し状の相手が違っている

投稿日:2017年3月4日 更新日:

2017年3月4日付け「編集手帳」要約

「果し合いに出かける昔の侍」に自身をなぞらえた。
“三十六人斬り”で知られる剣豪荒木又右衛門の雄姿を想像したが、まぼろしに終った。
みんなで決めたことで、「私だけの責任じゃない」。
石原慎太郎元東京都知事の記者会見である。
名誉をかけて斬り結ぶ相手は都政の暗部で、小池百合子知事ではなかったはず。
果し状の宛名が違っている。
真っ向勝負で鳴らした政治家だったが、同じ数字でも“三十六計…”の浮かんでくるところがさみしい。

-編集手帳

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

2017.08.31付け「編集手帳」要約

平和を守る決意が試される

2017年8月31日付け「編集手帳」要約 8月、年々歳々巡り来て日本人は〈愚かな戦争をしたこと〉に思いを致し、平和の2文字を胸に刻む。 今年は、例年と違う8月だった。 いまも〈愚かさを見せている人間の …

2018.03.03付け「編集手帳」要約

一緒に来ない列島の春を思う

2018年3月3日付け「編集手帳」要約 近畿、東海、関東で春一番が吹き、東京都心では最高気温が20.3度となった。 かと思えば、北海道や東北は低気圧の発達で暴風雪に見舞われている。 苫小牧市でエゾジカ …

2017.07.14付け「編集手帳」要約

小さな幸せを知らずに逝った人

2017年7月14日付け「編集手帳」要約 歳時記と古典落語にひっそりと残る「藪入り」 明後日がその日にあたる。 今年に限って思い出されるのは、働き方を考えさせられるニュースのせいかも知れない。 電通の …

2017.01.01付け「編集手帳」要約

目尻の1年になるといい

小欄は指の先で表情をこしらえる絵師に似た家業である。 心躍る出来事の目尻には微小のシワを畳み、 悲しい事件のおでこには憂いの八の字を刻み、 読者の胸の奥に並べていただく。 目尻の1年になるといい。 2 …

2017.02.05付け「編集手帳」要約

心に日の差す時間が延びるといい

名のみの春ともいうが、日は長くなった。 そのように、人の心に日の差す時間も延びているといい。 「ただ寂しい」。 熊本地震で被災し、借家の「みなし仮説」に独り暮らす70歳の女性の言葉である。 被災者の孤 …